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記事一覧

青春の挑戦  5 【小説 】

5彼は久しぶりの中学校になっかしさと会社とはちがう雑然とした雰囲気にとまど ったが、気持を引きしめちょっと緊張した表情で大声を出したのだった。 「大山中学校の先生方、私はルミカーム工業の宣伝課の者です。今日はみなさんにルミカーム工業の商品について知ってもらい色々買っていただきた いというお願いよりももっ と重要なことでま いりま した。実はルミカーム工業では世界平和についてみなさま方にう ったえていこう...

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青春の挑戦  4 (小説)

4松尾優紀は、広島で撮った映像詩にみがきをかけた。応接室で映写したのは、十五分ほどであったが、完成品は三十分ほどの長さになった。その間、アリサの所に行ってアドバイスも受けた。それから、船岡理恵子との悪魔と妖精の話を伝えたら、アリサは「そういうのは内の寺では幻と言っているのですよ。あなた自身の中に、仏性という偉大な宝があるのですから、そういうものに惑わされないように」とも言われた。今や、アリサは優紀...

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青春の挑戦  3  【ホトトギス 】

3理恵子は、ちょっと早口に向きになったような表情でそう言った。彼女に抱かれた猫が大きな目を見開いて、松尾優紀の目を見た。「うむ。不思議な目だ」と彼は思った。目の奥に一つの宇宙が広がるという詩的なイメージが松尾の心に浮かんだ。「瞳の奥から、迷い込んできた自然の神秘な光はわが胸を射す」という以前ノートに書き留めた自分の詩句を思い出した。理恵子の母は上品な微笑を浮かべていた。「でも、世界をアニミズム的に...

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青春の挑戦  2 (小説)

 2松尾がそこ まで言った時、工場長はち ょっと厳しい表情になって話し始めた。「松尾君と いったな。 確かに君の言うとおりだ。 核戦争を避けることは、人類史的な大問題だ。だがね、 わが社は営利会社なんだ。政治のことに口だしする立場にはないんだよ。会社の利益につながらないことで、会社は行動することはできな い仕組みになっているのだ。君が ビデオで平和を訴えることにより、何か良いイメー ジが会社につながるのなら...

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青春の挑戦  【小説】

1松尾優紀が広島から、帰った日は豪雨だった。梅雨の予報では、梅雨開けは近いと聞いていただけに、この突然のような豪雨には驚いた。広島にいたのは三日間でその間は曇り空で降らなかったし、初日は晴れ間さえ見せていたから、彼も気象庁の言うように、梅雨開けは近いと思っていた。三日目の昼頃から、雨が降り出した。前日の予報で雨が降る予想はしていたから、雨具を手に持って、夕方広島を出れば尾野絵では多少の雨にやられる...

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